佐藤大輔「宇宙軍陸戦隊」

宇宙軍陸戦隊 - 地球連邦の興亡 (中公文庫)

宇宙軍陸戦隊 - 地球連邦の興亡 (中公文庫)

つくづく女の趣味が合わんなあ。主人公格の男女の会話がいちいちオトナな駆け引きっぽく構えてるのがうっとおしい。
学術調査団からの救難要請を受けた地球連邦宇宙軍は、急造の陸戦隊を内戦下の植民惑星に降下させた。惑星の政府軍は、反政府軍に対して武装の面では圧倒的に優位に立っていたが、数の上では劣勢であった。泥沼の湿地帯での悪夢のような戦闘描写は作者の本領が遺憾なく発揮されている。章ごとに設定画も付いてる。
ただ小説の筋立ては、いかにして一方的な大虐殺が正当化できるかという思考実験みたいなもので、それに対して読者が葛藤すればドラマになるけれど、読者側に葛藤が生じなければメンドくさい理屈を組み上げたシミュレーションである。
後ろについてる短編は、シン・ゴジラのパロディなのかな。