おざわゆき「傘寿まり子」

作者: おざわゆき
出版社/メーカー: 講談社
発売日: 2018/07/13
メディア: Kindle版
この商品を含むブログ (1件) を見る

WEB文芸誌「レトル」の編集長となった幸田まり子は、往年の大ヒット作家小桜蝶子から執筆の約束を取り付けたものの、すっかり創作意欲をなくしてる蝶子は、まり子にゴーストライターになって代わりに書けと言い出す。まり子は呆れるばかりだったが、つい筆遊びに蝶子風小説を書き出してみると、意外に楽しくなって小桜蝶子の「新作」を書き上げてしまう。
あくまで蝶子自身の新作が欲しい一方で、久々に書き上げた自分の新作を埋れさせるのも惜しくなって、まり子が悩んでる間に、原稿を偶然読んだ他の編集部員によって新作掲載に向けて事態はどんどん進んで行く。
他人の書いた「自分の新作」を読んで蝶子の創作意欲に火がつく、という展開までは予想できたけれど、そっからまたさらにヒネリが入ってくる。
ファッションと高齢者とか、他にも色々とネタが入ってきてるけど、家族のあり方がやはりコアのテーマになるのかな。
高齢化社会だからか、作者も読者も恒例化してきてるからか、老人マンガも増えてるけど、とりあえず「傘寿まり子」「魔法少女サン＆ムーン〜推定62歳〜」「夕暮れへ」でBBA三部作というのはどうか。まあ「いじわるばあさん」という偉大な先達もあったわけだが。