木之下あかね「レンズブルク女子寄宿学校の日常」

pixivに投稿したマンガのkindle配信バージョン。東西冷戦下の西ドイツを舞台に東側との諜報戦を繰り広げる、才能ある少女たちの「日常」ガンスリンガーガールとか思い出すけれど、ああした切ない悲壮感は無い。むしろ福祉公社から自立した少女たちが自分達の意志で戦う、みたいな。東独の孤児院、というとモンスターとかも思い出す。上巻は1エピソード数ページの短編集、中下巻はそうしたエピソードを受けて、ノックス・バリウム「闇の外套」を巡る虚々実々の駆け引きから敵の大物との対決に至る続き物。スパイものとしての緊迫したサスペンスも楽しめるし、女子寄宿学校の百合っぽい日常もあるし、おすすめ。

アニメアンケート(2022/10-12月期)第67回

2023冬調査(2022/10-12月期、終了アニメ、47+2作品) 第67回
アニメ調査室(仮): 開始 : 2022/10-12月期終了アニメアンケート (第67回調査)

{総評、寸評など} (自由記入、引用する場合あり)

02,後宮の烏,B
ほぼ原作通りなんだけど、原作小説読んだときはアニメがここまで少女マンガになるとは思わなかった。

06,チェンソーマン,S
映像のキレがかっこよかった。殺伐としてるけど、コミカルな雰囲気がいい。米津玄師のOPも良かったけど、毎回EDが変わるのは流石にやりすぎでは。

11,ぼっち・ざ・ろっく!,A
流れで見てハマりました。部活とは違うバンドモノとしての輪郭がハッキリしてて、業界とか詳しくなくても見やすかった。

15,機動戦士ガンダム 水星の魔女,S
面白かった。ガンダムシリーズの中でも一番好きかも。みんながネタにしたがるアニメは強い。


28,ポプテピピック 第二シリーズ,A
ポプテピクッキングが好き。紙芝居は面白かったけど、特撮部分は面白さがわからなかった。

33,SPY×FAMILY (第2クール),A
贅沢なおしゃれアニメ。オープニングが髭ダンでエンディングがBUMP OF CHICKENとか凄い。しかも第1クールの星野源の時と違和感無いし。

46,(最速局で1/15までに放送された場合有効) 異世界おじさん,B
引きニートでキモオタのおっさんが実は異世界帰りの魔法戦士という設定だけでもう勝ったも同然。最初、「殆ど死んでいる」って副題だと持ってて、作者の名前だと気がついた時にはびっくりした。

番外
羅小黒戦記ロシャオヘイセンキ 僕が選ぶ未来,A
中国のアニメ映画のTV放送版。黒ネコの妖精小黒シャオヘイが、人間と妖精が共存する道を探る話。ディズニーと日本アニメの優れたところを学んで受け継いだ、という感じ。奇麗な背景にキレのいい動き、素直で飽きさせない展開、とにかく面白かった。

2023冬調査(2022/10-12月期、終了アニメ、47+2作品) 第67回

01,忍の一時,x
02,後宮の烏,B
03,風都探偵,x
04,虫かぶり姫,x
05,不徳のギルド,x
06,チェンソーマン,S
07,恋愛フロップス,x
08,惑星のさみだれ,x
09,アキバ冥途戦争,x
10,モブサイコ100 III,x
11,ぼっち・ざ・ろっく!,A
12,転生したら剣でした,x
13,新米錬金術師の店舗経営,x
14,うたわれるもの 二人の白皇,x
15,機動戦士ガンダム 水星の魔女,S
16,マブラヴ オルタネイティヴ 第二期,x
17,悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました,x
18,ピーター・グリルと賢者の時間 Super Extra,x
19,シルバニアファミリー フレアのハッピーダイアリー,x
20,農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。,x
21,勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う,x
22,ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生,x
23,聖剣伝説 Legend of Mana The Teardrop Crystal,x
24,Do It Yourself!! どぅー・いっと・ゆあせるふ,x
25,ヒューマンバグ大学 不死学部不幸学科,x
26,PUI PUI モルカー DRIVING SCHOOL,x
27,名探偵コナン 犯人の犯沢さん,x
28,ポプテピピック 第二シリーズ,A
29,ヤマノススメ Next Summit,x
30,うちの師匠はしっぽがない,x
31,4人はそれぞれウソをつく,x
32,宇崎ちゃんは遊びたい!ω,x
33,SPY×FAMILY (第2クール),A
34,VAZZROCK THE ANIMATION,x
35,サスとテナ シーズン3,x
36,夫婦以上、恋人未満。,x
37,BLEACH 千年血戦篇,x
38,令和のデ・ジ・キャラット,x
39,(10月終了) シャインポスト,x
40,(10月終了 リメイク版) ドラゴンクエスト ダイの大冒険,x
41,(2期 バゲット版) がんばれ!長州くん,x
42,(2019年版) ポケットモンスター,x
43,(全8話) ハーレムきゃんぷっ!,x
44,(ネット配信) 夜は猫といっしょ,x
45,(ネット配信) 兄に付ける薬はない! 5 快把我哥帯走5,x
46,(最速局で1/15までに放送された場合有効) 異世界おじさん,B
47,お昼のショッカーさん,x

参考調査

t1,(参考調査 全8話) アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】,x
t2,(参考調査 全6話) 万聖街,x

(以下、自由記入)

かみはら「転生令嬢と数奇な人生を」

転生令嬢モノで、宮廷陰謀モノ。不摂生が祟って30代で死んだ主人公は貴族の令嬢カレンとして異世界転生したものの、14歳の年に母親に忘れられる。なぜか母親がカレンのことだけ綺麗に記憶を失ってしまったのだ。異世界といえども異常事態である。一族大騒ぎになり、あれこれと手を尽くす中で、母親が不倫していて、カレンは不倫相手との娘だったことが発覚する。カレンは体よく追い出されてしまうのだが、国王の第2妃となった姉がカレンの名誉回復に向けて動き出し、なんやかんやで結局カレンは隠居生活をおくっている辺境の地方領主の後添えとして嫁ぐことになる。40歳以上の年の差婚である。とりあえず穏やかなカントリーライフを楽しめるかと思いきや、突然隣国からの侵略軍に蹂躙されてしまう。ここまでが1巻で、その後も数奇な人生に翻弄されてカレンは次々と立場が変わっていく。いわゆるチート的な能力はないけれど、他の世界での記憶が意識の上での余裕をもたらすこともあって、前向きに乗り越えていく。実は転生者は他にも居て、そっちの方にチート能力がある。カレンはむしろ、チートで無双してる転生者の尻拭い役。
展開が早くて、話の膨らませ方も面白い。主人公はどちらかというと悪役で、敵対する相手方の方がむしろ正義の主人公タイプだったりする。話が進む中で味方も増えていくけれど、決別したりしに別れたりで入れ替わっていく。結構エグいこともして、その後フォローがないのがちょっと気がかり。
5巻でクライマックスを迎えて話は一段落するんだけれど、まだ続くみたい。
転生令嬢と数奇な人生を1 辺境の花嫁【電子書籍限定 特典イラスト付】
転生令嬢と数奇な人生を2 落城と決意【電子書籍限定 特典イラスト付】
転生令嬢と数奇な人生を3 栄光の代償【電子書籍限定 特典イラスト付】
転生令嬢と数奇な人生を4 希望の【階/きざはし】【電子書籍限定 特典イラスト付】

蝸牛くも「ブレイド&バスタード」

蝸牛くもウィザードリィ小説。世界が理不尽で残酷なのは当たり前のことで今更驚くようなことでもなんでもない、とばかりに淡々と迷宮の奥へと進んでいく主人公とか、蝸牛くものエッセンスが詰まっている。

香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身 X

第5部10巻、通算第31巻。1巻まるまる中央での戦いです。これでラオブルート、ランツェナーヴェのジェルヴァージオを退けて戦闘は終了ですが、フェルディナンドの戦いはまだまだ続くのです。プロローグはディートリンデ視点、アーレンスバッハの礎の魔術が奪われても離宮でマイペース。エピローグはアウブ・ダンケルフェルガー第1夫人ジークリンデ視点。。ダンケルフェルガーから見た戦いの評価と、今後の展望が語られます。フェルディナンドの魔王っぷりに舌を巻くアウブ・ダンケルフェルガー。今回も間話集は120ページ以上の書き下ろしで、中央の戦いの様相を余すところなく伝えます。イマヌエル視点は中央神殿とラオブルート、ジェルヴァージオとの共謀、アナスタージウス視点、マグダレーナ視点は王族側の事情、そしてジェルヴァージオ、フェルディナンドとそれぞれの戦略が明かされます。王宮の中で何やってるかわからなかったツェントの状況や、マグダレーナが講堂に飛び込んで来る経緯からラオブルートとの戦いの決着が描かれて、中央の戦いの全体像がはっきりしました。ローゼマイン視点の本編だと戦闘の途中で始まりの庭に飛ばされるので、後から結果だけ教えてもらうんですよね。側から見て余裕ありそうだったフェルディナンドが、彼に見えていたものが語られることで、実は薄氷のギリギリ辛勝だったということに気付かされました。しかし、フェルディナンドに「真っ当な性根の持ち主」ではないと言われたジェルヴァージオも、知略のかぎりを尽くして勝ちに行くフェルディナンドと並ぶと、随分と純朴に感じられてしまいますね。特典SSはコルネリウス視点。ローゼマイン側近から見た講堂の戦い、と言うかハルトムートが光の帯で縛られて転がされる顛末です。
現在WEB連載651話なので最終話まであと26話、完結まであと2巻だそうです。最終巻にはまた大量の書き下ろしが入り、アウブ就任まで入れるとのことなので、楽しみです。


香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身I - ねこまくら1
香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身ll - ねこまくら2
香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身lll - ねこまくら3

herecy8.hatenablog.com

【小説26巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身V」 (TOブックスラノベ)5
【小説27巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身VI」 (TOブックスラノベ)6

herecy8.hatenablog.com
herecy8.hatenablog.com
herecy8.hatenablog.com

ロバート・バー「ヴァルモンの功績」

20世紀はじめ、コナン・ドイルシャーロック・ホームズが人気を博していた当時、ドイルと親交のあった著者によるミステリ短編集。ホームズのパロディ2編も収録している。クイーン、乱歩が共に絶賛したとのお墨付きもあり、また夏目漱石吾輩は猫である」内で迷亭君が言及する小説の元ネタが本書中の「放心家組合」ではないかという評もあり、色々と興味をそそられて読んでみた。
ヴァルモンはパリ警察の元刑事局長だったが、クビになってイギリスで私立探偵をしている。いわゆる推理小説と思って読むとびっくりするのだが、結構失敗譚が多い。犯人に出し抜かれて終わったりするのだ。しっかり解決に導く話もあり、間抜けな探偵のコメディというわけではない。推理や論理というよりは、尊大で毒舌家のフランス人探偵の語りで不思議な事件や謎そのものを楽しむという形になっている。
妙に大時代な文体も楽しい。「霄壌(しょうじょう)の差」「弊衣を纏って跼天蹐地(きょくてんせきち)」「宸憂御無用」といった具合。