香月美夜「本好きの下剋上」第五部女神の化身lV

第5部第4巻、通算第25巻、貴族院から帰ってみたら城の中は雰囲気悪くなってました。ライゼガングの陰謀です。あと、クラリッサが来襲します。プロローグはランプレヒト視点、エピローグはヴィルフリートの護衛騎士アレクシス視点で、どちらもヴィルフリートとライゼガングにからむ話です。ローゼマイン視点の本編では、ヴィルフリートの状況が、なんかめんどくさいいことになってるなあくらいで、よくわからないですからね。第5部3巻のエピローグとあわせて、旧ヴェローニカ派側近に煽られていく流れが随分と分かりやすく描かれています。アレクシスはギーベ・キルンベルガの息子で、3年生での親睦会のエピソードで名前が出てたけれどこれまでほとんど印象にのこってなかったキャラ。本編がちょうどキルンベルガの国境門までだし、旧ベローニカ派でもライゼガングでもない中立派ということで多角的な視点から描けるということで、うまい構成になってます。
短編の一つはシャルロッテ視点でブリュンヒルデとの会話。二人ともローゼマインが好きすぎる。短編のもう一つはギュンター視点で、西門でのクラリッサとの攻防です。重たい話の多いこの巻はクラリッサに救われてるなあ。特典SSはトゥーリ視点でルッツとの婚約について。そうか、時期的にはこのころの話なのか。前巻はまるまる貴族院の話でしたからね、久しぶりの下町エピソードです。
次はいよいよ商人聖女か、あとはもう怒涛の展開ですね。
【合本版 第一部】本好きの下剋上(全3巻) 本好きの下剋上(合本版) (TOブックスラノベ)
【合本版 第二部】本好きの下剋上(全4巻) 本好きの下剋上(合本版) (TOブックスラノベ)
【合本版 第三部】本好きの下剋上(全5巻) 本好きの下剋上(合本版) (TOブックスラノベ)
【小説13巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員I」 (TOブックスラノベ)
【小説14巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員II」 (TOブックスラノベ)
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員III」
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員IV」
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員V」
【小説18巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VI」 (TOブックスラノベ)
【小説19巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VII」 (TOブックスラノベ)
【小説20巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VIII」 (TOブックスラノベ)
【小説21巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員IX」 (TOブックスラノベ)
香月美夜「本好きの下克上」 - ねこまくら第一部兵士の娘
香月美夜「本好きの下剋上」第三部領主の養女 - ねこまくら第三部領主の養女3
香月美夜「本好きの下剋上」第三部領主の養女 4 - ねこまくら第三部領主の養女4
香月美夜「本好きの下剋上」第三部領主の養女 5 - ねこまくら第三部領主の養女5
香月美夜「本好きの下剋上」第四部貴族院の自称図書委員 - ねこまくら
香月美夜「本好きの下剋上」第四部貴族院の自称図書委員 - ねこまくら
香月美夜「本好きの下剋上」貴族院の自称図書委員 - ねこまくら3
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香月美夜「本好きの下剋上」貴族院の自称図書委員 VI - ねこまくら6
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香月美夜「本好きの下剋上」第四部貴族院の自称図書委員 VIII - ねこまくら8
香月美夜「本好きの下剋上」第四部貴族院の自称図書委員IX - ねこまくら9

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香月美夜・波野涼「本好きの下剋上」第三部 - ねこまくら
香月美夜・鈴華「本好きの下剋上」 - ねこまくら
香月美夜・鈴華「本好きの下剋上」 - ねこまくら
本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません ふぁんぶっく2 - ねこまくら
香月美夜「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」ふぁんぶっく - ねこまくら
香月美夜「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」 - ねこまくら
本好きの下剋上 ふぁんぶっく5 - ねこまくら

公式コミックアンソロジー「本好きの下剋上」6

公式アンソロジー6巻。順調に巻を重ねてる。こういうのって原作エピソードを転がして膨らませるか、ツッコミを入れるか、さもなきゃキャラの自己紹介みたいな心情語りになるか、だけどツッコミは原作の世界観との兼ね合いが難しい。ギャグだから思い切って原作の世界観壊しちゃうのもアリなんだけど、まあ浮いちゃうことも多い。その辺り、うまく原作の世界観の中で遊ぶ椎名優はやっぱりうまいなあと思ったり。
本巻所収のマンガでは、モモチップス「ヨハンの仕事」が良い。マインにパトロンになってくれ、と頼みに来る前、ヨハンが親方から早くパトロンを捕まえろと言われるまでのエピソードで、仕事場でのヨハンをうまく原作に添うように描いてる。

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本好きの下剋上 ふぁんぶっく5

ふぁんぶっく5は電子版も同時発売。表紙、口絵ギャラリーにアニメのエンドカード、去年のクリスマスカードとかコラボカフェで配ってたキャラカードとか、あれもこれも入ってます。香月美夜「色合わせと婚約式」はリーゼレータとトルステンの婚約までのお話。色合わせに使う魔術具とかの図解もついてる。トルステンはやっぱり影が薄いけど、最後に出てきたアンゲリカがカッコいい。鈴華「リーゼの葛藤」はベンノとリーゼのいちゃラブ。リーゼとかカーリンとかベンノさんの女性がらみのエピソードは香月さん書いてくれなさそうなんで余計二次創作したくなる感じでしょうか。波野涼「グーテンベルクへの道」はヨハンとザックの話。第三部の、二人で競ってロウ引き機を作ろうとしてた頃のエピソード。グーテンベルクの称号が欲しくてヨハンに絡むザック、ザックの設計に惚れ込んでつきまとうヨハン、気質は違うけれどコレと決めたら一心に突き進むところが同じで、いいコンビだなあというのが端的に表れた、いい話です。椎名優「ゆるっとふわっと日常家族」出張版はいつも通りの通常営業。ローゼマインとフェルディナンドの掛け合いにリーゼレータが混ざるとまた楽しい。
あとはドラマCD4のアフレコレポートと、慣例の Q&A。16ページにわたって細かい質問と答えが並んでる。対象範囲が広いからか、質問総数が多かったからか、いい質問が多くて読みでがある。孤児院で初めてタウの実の投げっこをした後でフェルディナンドが様子を見に行った経緯とか、第二部ラストでフェルディナンドが隠し部屋から出てくるタイミングとか、SSにするほどではない情報が嬉しい。
しかしこのQ&Aって、聞かれて初めて考えた、みたいなモノはあるんだろうか。キャラに関することだったら、特に設定がなかったとしても「このキャラならこうだろう」というのがスッと出てくるんだろうなあ。世界観に関することでも、頭の中のユルゲンシュミットに行けばスッとわかる感じなんだろうか。改めてふさわしい設定を考えなきゃならないような余地ってもう無いんだろうか。

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KAKERRU「ふかふかダンジョン攻略記」

異世界転生モノで、タイトルの語感からなんかゆるふわな展開を期待したんですが、ガチでした。単に転生しただけでチートらしいチートもなく、地道に冒険者やる話です。剣と槍と弓の戦術的な機能の解説とかコラムでみっしり書いてたりして、作者は兵器と戦術の歴史とか詳しい人みたい。現在3巻まで出てます。2巻ではサバイバル術の訓練が結構な分量で描き込まれてたりして、主人公はまだ駆け出しの段階だけど、作り込まれた世界観が次々と広がっていくので結構テンポは早いし、アクションやバトルもあって引き込まれる。あと、女の子キャラは大体ゆるくてエロい。

イスラーフィール「淡海乃海 水面が揺れる時」

戦国時代を舞台にした本格歴史改変小説。50代のサラリーマンが近江の国人領主朽木元綱に転生して、動乱の時代を生き抜いていく。小説では「基綱」の字を使い、少しづつ歴史が変わっていく一つの徴になっている。朽木元綱は信長、秀吉、家康に仕えた歴史上の人物で、朽木氏は大名として家名を保ち明治維新まで存続している。なかなか渋い人選で、琵琶湖のほとり八千石の小さな領地経営から話は始まる。最初はなかなか時代も場所も特定できなかったりと、細かいところで説得力を積み上げている。権謀術数から合戦から、面白いエピソードでつなげつつしっかり段取りを踏んで成り上がっていく物語に引き込まれる。短い章ごとに話者を変える構成になっている。これはヘタをすると読者が混乱するだけになるけれど、わかりやすくしっかりと視点の転換を行っていて、一人称小説と三人称のいいとこ取りをしている感じ。
もともと「小説家になろう」に投稿された小説で、現在まだ連載中。およそ発表分の半分ほどが書籍化している。「なろう」の方は3月で投稿が止まってるんだけど、なかなか壮大な話になっている。コミック版もあって、琵琶湖周辺の細かい地理だとか、次から次へと出てくる登場人物の見分けだとかは絵で見られるコミックが便利。さらに、主人公が最初に朽木家を継げずに養子に出される、別ルート版「異伝淡海乃海 羽林、乱世を翔ける」もある。公家となって武士を操るという、こっちも面白いんだけど、まず正伝を進めてほしいと思う。

無能なナナ

能力者の少年少女たちが集められている孤島の学校。そこでは「人類の敵」と戦うための訓練が繰り広げられている。そこに転向してきたピンクツインテールの女の子、柊ナナは「人の心が読めます、空気は読めません」。早速いじめられっ子っぽい中島ナナオにつきまとって、優しいナナオこそクラスのリーダーにふさわしいと言い出す。学園能力者バトルコメディ?という感じで始まるけれど、第1話ラストで早くも予想外の展開に突き進む。知略サスペンスの看板は伊達じゃない。これは結構面白そう。

朝井まかて「グッドバイ」

グッドバイ

グッドバイ

幕末から明治にかけて活躍した長崎の女商人大浦慶の生涯を描いた歴史小説。長崎でも屈指の油問屋の娘として生まれた慶は、斜陽になっていく家業の再興を図り、日本茶の輸出に活路を見出す。違法な抜け荷から始めて独力で販路を開拓、大貿易商へと駆け上がる。
地回りの安い油に押されて衰退しつつあった家業の油問屋の先行きを見据えて、慶は海外との交易を考える。誰からも取り合ってもらえない中、蘭語を自習し、無手勝流で販路を開拓していく。何もかも初めてで勝手もわからないまま、試行錯誤を繰り返し、イギリス商人と渡り合い、信頼を勝ち取っていく。商売上の動乱と幕末の動乱とも絡み合って、グイグイ読ませる。
主人公が実在の人物で、wikipediaとか見れば分かるけれど大火で焼失した家業を再興し、茶貿易で財を成し、詐欺事件で没落し、そこから再起を図る、と波乱の人生をおくった女傑だ。キャラとしても痛快で、娘時代から最後までブレない。
高浜寛「ニュクスの角灯」にも登場する。明治初期の長崎で舶来品の雑貨屋を舞台にしたマンガで、こちらもオススメ。
ニュクスの角灯 (1) (SPコミックス)

ニュクスの角灯 (1) (SPコミックス)

ニュクスの角灯 (2) (SPコミックス)
ニュクスの角灯 (3) (SPコミックス)
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ニュクスの角灯 (5)【電子版特典付】 (SPコミックス)
ニュクスの角灯 (6) (SPコミックス)